プロが教える食事指導~海外で通用する食事とは~

今回から海外アスリートの食事特集をお送りします。

今日、アスリートの食事が取り上げられる機会が増え、保護者や選手自身の食への関心が高まっています。それとともに、これまで以上に指導者や専門家の知識が求められているのも事実です。

今回は、特集するにあたって特別ゲストをお招きしています。オーストラリアで最先端のスポーツ栄養を研究していた経歴を持つ、スポーツ栄養のスペシャリスト、河村亜希さんです。本特集は会話形式でお送りいたしますので、ぜひ取材時の臨場感を味わっていただきたいと思います。(以下、敬称略)

 食事指導についての考え方


 

島原:河村さんのこれまでについて教えてください。

河村:柔道部のウエイトコントロールや陸上選手の持久力向上のサポートを担当した経験があります。持久系ウエイト系のサポートができると食事指導の幅が広がるかなとは思いますね。

島原:ノウハウみたいな話になってしまいますが、具体的に食事指導はどのようにされていますか?

河村: 一人ずつ異なる食事計画があるので、教科書を見れば大丈夫、というわけにはいかないですね。
基本的にデータは参考値なので、それをそのままアドバイスしても上手くいくかというと難しいですよね。なので、まずはアセスメントを十分に行い、その選手に合ったアドバイスをします。教科書はもちろん参考にはしますが、アセスメントの結果から個人に必要なアドバイスを行います。

 

ウエイトコントロールのベースとは?


島原:その中でも、河村さんのベースとなる考え方ってありますよね?極端な話、炭水化物を全部抜く!みたいな人もいるじゃないですか?鶏むね肉ばっかり食べる、とかバランスよく減らしましょうね、とか。そういう、アキさんのウエイトコントロールっていう点に関しての、基礎となる部分というか、これだけは守っている、大事にしているっていう部分あります?

河村:基礎の部分っていうのは本人が実践している食のスタイルだから、例えば炭水化物を抜きたい人に対して、炭水化物を食べましょうって指導は受け入れてもらえないと思うんです。今までずっと(炭水化物を)抜いてきたトップのアスリートに対して、いきなり炭水化物を食べましょうっていうウエイトコントロールの方法は抵抗があるから受け入れてもらえない。そうすると、面談をしながら一緒に食事計画を立てていくことになりますね。炭水化物を摂ることのメリットを説明した上で、それでもどうしても(炭水化物を)摂りたくないという場合には、それを抑えた食事で、どのようにウエイトを上げるのか、下げるのかという話をすることもあります。

島原:絶対誰にでも、これだけはしてもらうっていうものは基本的になくて、その人の食生活がベースになるということですか?

河村:そう、そこがベースですね。そこから、より良くなるように提案していきます。

島原:そのやり方はすごく新鮮ですね!僕らは米をベースに食事指導をしているので、個別に指導はするんですけど、基本は同じなので。その人の食事に対してどんな変化でもできるっていうのが素晴らしい。

河村:でも高校生までだったら、食習慣は大きく変えられる可能性がありますね。炭水化物抜いている選手がいたら、食べたほうがいいよ、という指導はします。それも「食育」ですよね。ジュニアアスリートは割と食習慣も変えられますから。ただ、その人の生活リズムに合わせた食事計画の提案は大切にしたいですね。

島原:なるほど、食事管理では「糖質制限」や、「8時間ダイエット」などノウハウばかりフォーカスされがちですが、指導者はその人に合わせた方法を模索するための知識と経験が大事ですね。

 

今回のおさらい


食事指導は、あくまで本人の食生活がベースであり、ノウハウや教科書を当てはめればいいというものではない
ジュニアアスリートは将来を見据えた「食育」が重要

今回はここまで。次回は引き続き河村亜希さんから、「海外で活躍するアスリートに必要な食事」について、です!
・海外での合宿帯同の実際
・日本と海外の違いとは?
・日本にいる時から出来ることとは?

ぜひお楽しみに!

島原 隼人
CHALCO堺筋本町店を中心に活動する「お米を食べて痩せられる」パーソナルトレーナー。 スポーツトレーナー、ライター、料理教室の運営、芸能活動など様々なジャンルで仕事をしている。 「好きなことを仕事に」をモットーに、周囲の仲間の夢を叶えるために日々活動している。